カンボジアは過去に、約4年の間で300万人以上の人が大虐殺された歴史があります。
多くのカンボジア人が殺害された場所は、「キリングフィールド」と呼ばれ、カンボジア国内に何カ所もあります。
なかでも有名なのは首都プノンペン郊外のチュンエク村にあるキリングフィールド。
はじめてカンボジアを訪れたときは、この国の歴史も知らず、アンコール・ワットを観光気分いっぱいで見に行ったシェムリアップ。
そのときに知った、カンボジアの狂気の歴史。
それから1ヶ月後、再びカンボジアに訪れました。
自分の目で見て、感じるべき歴史がある。
入場料を払うと、自動ガイドプレーヤーが貸し出されます。日本語があります。
最初に大きな慰霊塔があります。
建物には、平和の願いを込めて、鳥の神ガルーダと、蛇の神ナーガがデザインされています。ガルーダとナーガは、鳥と蛇ということもあり神話の中でも敵対関係にあります。
しかし、この2つの神が調和した時、平和がもたらされると言われています。
この塔には多くの犠牲者の亡骸がおさめられています。
場内には無数の穴があります。
ここは埋められていた遺体を掘り起こした後です。
今でも亡くなられた方の、衣服や、歯や骨などが出てくるそうです。
この植物はギザギザで、もともと鶏をシメるときに使われていたそうですが、銃弾がもったいないため、これを人間に使っていたそうです。
性別・年齢は関係なく、殺害されました。
母親を亡くした赤ん坊も殺害されていたそうです。
将来、反乱因子になることを恐れたそうです。
ここが発見されたとき、木の幹には血や脳みそがこびり付いていたそうです。
亡くなられた方に哀悼の意を表し、人間はこれほどまでに狂気に走れることを学びました。
こんな歴史を繰り返してはいけないのは明白ですが、繰り返す可能性もあるのが人間。
人間でいるのが嫌になりますが、これを糧に自分に言い聞かせることもあり、自分以外の他者が狂気に走り得ることも理解し、流されないことが大事だと思い知らされます。
場所・行き方
プノンペン市内からトゥクトゥクで、虐殺博物館に行くのも込みで25ドルでした。
交渉次第でもう少し安くなると思います。
プノンペンから南に十数キロのところです。
トゥクトゥクのいい稼ぎになるのか、キリングフィールドと虐殺博物館などが書かれたボードを持っています。
プノンペン市街地からキリングフィールドまでの道中、田舎の風景がひろがります。
キリングフィールドへの道、殺されるために運ばれていた人たちも通った道。