先日、タイ人彼女へのプロポーズが成功しました。
ご両親に結婚の挨拶に行ってきたのですが、予想外に厳かな伝統的な儀式になりました。しかも、おばあさんからハシモトと呼ばれ、なんのことかと思ったら歴史のつまった話でした。
前回までの話
タイ人彼女へのプロポーズが成功し、その日彼女が歓喜しすぎて母親に電話で言ってしまう。
さすがに、彼女の父上には、直接伺いに行って伝えたかったので、その電話では「絶対にお父さんにはまだ秘密!」とお願い。
翌朝、そんなことなどなかったことのように
「お父さんに言っちゃった(テヘペロ)」と彼女の母親からの電話。
結婚することが決まり、彼女の父上は「安心」されたそうで、わざわざ会いにこなくても電話でも十分。とも言ってくれました。
しかし、そこは直接挨拶に行かねばケジメがつかない。
次の週末に、彼女の実家、タイ東北地方のウボンラチャタニ県(ウボン)へ、直接挨拶に行くことにしました。
前回の話:【結婚します】バンコクでプロポーズに成功!部屋を飾り付けてバラの花束をプレゼントしました!
結婚のご挨拶の準備
タイ人彼女ですので、もちろんご両親はタイ人です。
日本語はわかりません。
彼女は日本語ペラペラなのですが、このときは自分の口からタイ語で言わないとおかしいので、結婚の挨拶はタイ語で言います。
「今日は大切な話があります。」
「お父さんとお母さんの娘さんと結婚させてくれませんか。」
このセリフをタイ語で言います。
タイ人彼女は、日本語ができるのでタイ語訳をつくってもらいました。
「ワンニーポムミールアンサムカンジャコーカップ」
「ガルナーハイポムテンガーンガップルークサオクンポーダイマイカップ」
長い。
それ以外の感想は受け付けない。
当日までに覚えられるのか不安しかない。
また、手ぶらで行くわけにもいかないので、手土産にお菓子箱を用意しようとするも、
年末年始にウボンに行ってきたばかりということもあり、彼女と彼女の母親から、気をつかわなくてもいいと言われ購入を阻まれます。
しかし、本当に手ぶらで行くわけにもいかないので、彼女の祖父・父上・母上にシャツなど洋服を手土産にしました。
ウボンへ出発!
早朝、飛行機でウボンへ行くため、自宅からドンムアン空港へタクシーで向かいます。
タクシーの中でもセリフをチェック。
減らない不安。
迫り来る車酔い。
気休めの嗅ぎクスリ、ヤードム。
ドンムアン空港につきました。
搭乗ゲート前で待っている時も、不安すぎるので、セリフのチェック。
飛行機に乗っても、止めどなく迫り来る不安と尿意。
気休めのセリフチェック。
そんなガチで緊張してるボクを差し置いて、タイ人彼女は余裕しゃくしゃく。
自撮りしてます。
一緒に自撮りしようと誘われ、それどころじゃない雰囲気をかもし出しているのに彼女はガン無視。
「ほら!笑ってよ!」
笑えないから笑ってないんや。
そしてウボンラチャタニ空港に着きました。
着いてしまいました。
高まる不安。覚えられているか微妙なセリフ。
出口の向こうは、両親が迎えに来てくれています。
両親と会う前にいつセリフを言えばいいか再確認します。
すると、この直前になって、セリフの変更!
「ワンニーポムミールアンサムカンジャコーカップ」
が
「ワンニーポムミールアンサムカンジャクイティバーンカップ」に。
再会して直後、もしくは車の中で「お家に着いたたら大事な話が・・・」と切り出せる文になりました。
「ガルナーハイポムテンガーンガップルークサオクンポーダイマイカップ」
が
「ガルナーハイポムテンガーンガップルークサオクンポークンメーダイマイカップ」に
「お父さんの娘」だけだったのが、「お父さんとお母さんの娘」に変更。
・・・
・・
・
無理やろ。
普通の時なら簡単なタイ語ですが、この極限状態でおしっこちびりそうな時に、
シレっとセリフ変更。
無理やろ。
タイ人彼女「大丈夫!大丈夫!」
大丈夫じゃないわい。
スタスタと両親のもとへ歩き出す彼女。
そしてついに、両親と再開!
両親の運転で実家へ!
両親が空港の出口に迎えに来てくれていていました。
「サワディーカップ。サバイディーマイカップ。」
(こんにちわ。お元気ですか。)
当たり障りない、いつもの挨拶。
「今日は大事な話が・・・」と、いつ切り出せばいいのかタイミングがつかめず、車に乗り込み、実家へ向かいます。
車の中でも、いつ切り出せばいいのかタイミングがつかめず、余計緊張してしまいます。
そんなことなどつゆ知らず、彼女は母親と結婚式会場の話を始めます。
心の声(おい、ちょっと待て、今日は結婚の承諾をもらいに来ているのに、もう承諾がもらえている体で結婚式の会場の話だと?)
お義父さん、どんな気持ちで運転してるんだろう・・・
この状況で、「今日は大事な話が・・・」
言えるわけないやん!
さらに、実家で飼っていた猫が、野良犬に噛まれ瀕死の重体になっているとのこと。
年末年始に来た時に、懐いてくれた猫だったので、不安でいっぱいな精神状態にさらに拍車がかかります。
彼女も不安なので、入院している動物病院に見舞いに行きました。
「今日は大事な話が・・・」と切り出すタイミングを完全に失いました。
しかも雨が降ってきて、なんとも縁起が悪い感じで、この先不安しかありません。
想定外の大人数の親戚が待ち構えていた!
実家につくと、おめかしした親戚が待っておられました。
こ、これは想定外すぎる。。。
「電話で結婚の報告してくれるだけでもいいよ」と
おっしゃっていたので、簡単な感じになるのかと思いきや、
めっちゃ厳かやん。
彼女の母親が張り切っちゃって、集まれる親戚を集められるだけ集めたそうです。
お義母さん・・・
ボクの予想は、ご両親と僕らの4人だけで、
ボク「娘さんと結婚させてください!」
お義父さん「どこの馬の骨だ!たわけ!」
お義母さん「まぁまぁお父さん」
ボク「絶対に娘さんを幸せにしてみせます!」
彼女「お父さんお願い!」
そんなコテコテな展開を4人でできるかなー、って思ってたのに、想定外すぎる。
しかし、親戚の皆さんとも顔見知りなので、少しは気が楽です。
それに、おばさんに、「緊張しておしっこしたいんじゃない?」
と気を遣ってくれるので、本当におしっこしたかったのこともあり、トイレに行きました。
いよいよタイ語で「結婚させてください!」を言う時が来る!
ついにタイ語で「結婚させてください!」を言う時!
最後の最後まで、タイ語で言えるか不安でいっぱいでしたが、やるしかない!
「ワンニーポムミールアンサムカンジャコーカップ」
(言えた!!!)
トイレに行ったときに、ジャケットを脱いだのですが、また着てくるのを忘れてしまいました。
「ガルナーハイポムテンガーンガップルークサオクンポークンメーダイマイカップ」
(言えたぞ!!!!!!)
直前に「セリフを言ったあとにコレを渡してね」と
渡された伝統的な何かを、両親と祖父に渡します。
不安のピークは過ぎ去りました。
この後、一人ずつ、白い糸を腕に結ってもらいます。
そのとき、お祝いや激励の言葉をもらいました。
「外国人なのに、よくひとりで来たね。すごい自信だ。これから二人でどこでも生きていけるね」
と激励してもらい、やっと気が付きましたが、
ボクにとって超アウェーですねココ。
お祝いや激励、願いを込めて結って頂いた腕はこんな感じになりました。
タイの伝統的な雰囲気の中、無事にご両親をはじめ、親戚の皆さんからも結婚を認めてもらうことができました。
この後、皆さんと食事に行きます。
皆さんと食事してお寺へ
想定外に厳かだった一大イベントから、皆さんと和気あいあいとした雰囲気で、食事に行きました。
豚の丸焼きまで登場!
「電話でいい」って言ってた結婚の挨拶。こんな一大イベントになるとは。。。
食事はお昼だけでさくっと終わり、お寺へ行って祈祷してもらいました。
まずは仏様にお参り。
その後、お寺の一番偉いお坊さんに祈祷してもらいました。
おばあさんに会いにいったらハシモトと呼ばれる
おばあさんは寝たきりなので、家まで会いに行きました。
前回会ったことがありますが、ちょっとボケてきているので、ボクのことはおろか孫も覚えているか微妙です。
しかし聞いてみました。
「ボクのこと覚えてますか?」
おばあさん「ハシモトォー」
えっ、だれ?w
(ボクはヒロシです。)
おばあさん「ハシモトォー!ハッハッハ!」
だれ?だれ?w
「ヒロシですよーw」
おばあさん「昔、私のことナンパした日本軍兵士が、ハシモトさんだったのよねw」
こんなに歴史がつまったリア充なつぶやきは初めてです。
おばあさん「ま、全部で3人の日本人からナンパされたんだけど、名前の発音を覚えているのはハシモトさんだけよw」
モテたんだ。。。
それにしても、タイ東北地方のウボンラチャタニにも、旧日本軍は進駐していたんですね。
そんな日本の歴史も知らないボクはちょっと情けなくなりましたが、ハシモトさん他2名の方は、今どうしていらっしゃるのでしょうか。
ウボンと旧日本軍のことについては改めて勉強します。
ご両親の結婚式の写真を見せてもらう
実家に帰ってきてから、ご両親の結婚したころの写真を見せてもらいました。
デジタルカメラなどない、フィルム写真全盛の時代です。
色あせてきていましたが、時代を感じますね。
こうやって僕らも伝統を継承していくことになるんですね。
結婚式のビデオもあるらしく、しかも懐かしのVHS!
今時の子は、知らないのかな、VHS。
結婚式の準備
さて、結婚を認めてもらったので、正式に結婚にむけて準備をすすめていきます。
ウボンではタイ伝統的な結婚式をしようと計画しているため、衣装の下見に行きます。
衣装のお店に来てみましたが、営業時間なのに、マネキンがバラバラ事件になっています。
こちらのマネキンはスマシてますが、
頭部を鈍器のようなもので殴られた形跡がありました。
そんな感じで準備は着々と進んでいます!
次回もお楽しみに。